Letter No.31 ところてん





どうも調子がおかしい


先月末に飛行機を降り立って以降

周りの人たちの話す声の

リズムが違うのだ


いつもおうちで聞いている声は

ターンターンターンタタタンターン

という滑らかで流れるリズム


それに対してここ数日間は

タア タァ タタタ タンターカ ターン

という感じで飛び跳ねて楽しい感じだ


どっちも全然違うけれど

どっちも大好きなリズムだ


例えば

僕が何か良いことをすると

家では「タタタ、タタタ(いいこ、いいこ)」

ここでは「ターン ターン(乖乖(guai guai)」

てな感じ


敢えて例えていえば

前者はフルートみたいな音で

後者は木琴みたいな音なのだ


面白いのは父ちゃんと母ちゃんの性格の変化だ

二人ともまるで性格が入れ替わったみたいになる


母ちゃんは飛行機に乗る前は

子供っぽかったのに

飛行機に乗って降りたら少し大人っぽくなった


父ちゃんは

飛行機に乗る前はおじさんっぽかったのに

飛行機から降りたら

まるで幼児のようになった


ただ何かを伝えようと

一生懸命お口の木琴を叩いている感じだ

余裕は全くない


ちなみに

父ちゃんと母ちゃんとの間で

難しい話や固い話をするときに使う

ニュニュニュ言葉というのもある

ディニュニュニュ、ニュニュニュニュニュ

という感じで

口からところてんが押し出されて出てくるイメージだ


僕はニュニュニュ言葉はまだあんまり慣れない

まあでもカッコいいから

いつかニュニュニュの国に行って

勉強してみたいかなとは思う


父ちゃんは一応これら3つのことばを使うのだが

フルートは年季が入って滑らかな演奏

木琴は勢い余って音階をときどき外す

ニュニュニュ言葉はよくわからないが

一応それなりの速さでところてんを生産しているところを見ると

まあそれなりのレベルなのであろう


フルートを吹いている時の父ちゃんはおじさんだ

木琴は幼児か少年、そしてニュニュニュ言葉は

なんだろうか、ビジネスマンみたいな感じだ


しかしこれが全くあべこべになるときがある

父ちゃんがニュニュニュ言葉で「えほん」を読んでくれるときだ


「僕は憑依するタイプだから」

という父ちゃんは絵本の登場人物になりきるのが得意だそうだ

20種類の声を操る(自称)らしい

使う言葉はニュニュニュであっても

そこにビジネスマンの影は全くない


ただ大声で奇声を発するmonkeyや

全力で変顔をしながらpeek-a-booをするpuppyや

変な鼻声で話しかけてくるrabbit

がいるだけである


そうして絵本を読み終わると

またビジネスマンのようにニュニュニュ言葉を話したり

滑らかにフルートを吹いたりするのだ


絵本の力がすごいのか

単純に父ちゃんが変な人なのか

父ちゃんのあべこべな絵本の朗読は

嫌いではないけれど

やっぱり母ちゃんが読んでくれる方が好きだ


父ちゃん

もっと修行してください



おしまい。













































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