Letter No.9 UNIQLO

 


今日は父ちゃんと母ちゃんが

好きな場所の話をしよう


彼らが嫌というほど

休みの日に行く場所は

ゆにくろだ


何かある度に

いつもぼくをゆにくろに連れて行く


ぼくの一番好きなゆにくろは

新宿タカシマヤ12階にあるやつだ

このフロアは何だか落ち着くのだ

僕が生まれてくる前に

散々ここに来ていたに違いない


最近強くそう感じたのは

3日前に別のゆにくろに行ったからだ

僕は

ギンザにあるゆにくろが大嫌いだった


まぶしいし

人が多いしうるさい

だから

父ちゃんの肩に

いつも以上に涎を垂らして

嫌がらせしてやった


早く帰りたいのに

父ちゃんが

買いもしない

アニメプリントのTシャツを

半笑いしながら見ていたので

騒いでやった


ついでに父ちゃんの背中にも

こっそり涎をつけておいた


暴れる僕をあやそうと

観葉植物の葉っぱを僕の頭に乗せようとしたり

ベビーカーをジグザグ走行させたり

ボボを吸わせようとしてきたが

全部無視して泣き続けてやった


やっぱり

タカシマヤのゆにくろが落ち着くのだ

あそこなら2時間くらいいても構わない


タカシマヤでは

おむつだって替えてもらえる

専用のおむつ台があるからだ


でも、お外でおむつを替えてくれるのは

いつも母ちゃんだ

母ちゃんの方のトイレにしか

おむつ台がないらしい

変なの

父ちゃんだっておむつ替えられるのにね


母ちゃんがおむつを替えている間

いつも父ちゃんがけーたいをいじって

遊びほうけているのを

僕は知っている


お腹がすくと

父ちゃんがバッグから

哺乳瓶を出して

水筒のお湯を使って

ミルクを作ってくれる


ゆにくろの前にあるベンチで

父ちゃんの膝上に乗る


周りに視線を感じる

おじさん、おばさん

お兄さん、お姉さん

みんな僕たちを見てる


父ちゃんが僕にミルクをあげるのが

ちょっとめずらしいみたいだ

変なの

父ちゃんでもできることは

父ちゃんがやるべきだ

母ちゃんは忙しいんだから


でも父ちゃんは

お外でミルクあげる自分を

ちょっとかっこいいかも

って絶対思ってる


いつもより

やたら手際がいいし

母ちゃんに色々ミルクのうんちくたれてるし

鼻の下が伸びてるからだ

(たぶん若いお姉さんが見てるからだ)


あとで

むせたふりをして

ミルクをかけてやろう


おしまい



















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